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未公開株で詐欺やトラブルにあった場合はどうするべき?

公開日:2026年11月04日|更新日:2026年11月04日
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
未公開株で詐欺やトラブルにあった場合はどうするべき?
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
未公開株とは、金融商品取引所(証券取引所)に上場していない企業の株式です。上場株式のように誰でも売買できるわけではないため、購入できる対象者が限定されるケースが多くあります。

近年では「近々上場」「値上がり確実」といった虚偽の勧誘による未公開株詐欺やトラブルが増加しており、金融庁が注意を呼びかけています。未公開株で少しでも不審な点がある場合は放置せず、信頼できる第三者に早めに相談することが大切です。

本コラムでは、未公開株詐欺やトラブルの事例・相談先・予防法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、未公開株の詐欺やトラブルの例

未公開株の詐欺やトラブルには、具体的にどのような事例があるのでしょうか。以下では、主な典型例について解説します。

  1. (1)名義書き換えに応じてもらえないケース

    未公開株のトラブルで注意したいのが、購入後に名義書き換えに応じてもらえないケースです。名義書き換えとは、その株式の持ち主として会社側の記録に反映してもらう手続きを指します。

    お金を支払ったのに名義書き換えにいつまでも応じてもらえない場合、単に手続きが遅れているだけとは限りません。そもそも上場予定がなかったり、譲渡制限がある株式を十分な説明なく売っていたりする可能性があります。

    名義書き換えを求めても曖昧な対応しかされない場合は、発行会社に直接確認することが有効です。

  2. (2)複数の業者が関与する「劇場型」詐欺のケース

    「劇場型」詐欺とは、詐欺グループが複数の役回りを演じてターゲットを信じ込ませ、金銭をだまし取る手口です。一社だけでは信用しにくい話でも、複数の業者が関与することによって本当らしく見せかける特徴があります。

    たとえば、ある業者が未公開株の購入をすすめ、別の業者が「その株は有望だから高く買い取る」と持ちかけるといった流れです。購入後はいずれの業者とも連絡が取れなくなることで、詐欺にあったことに気付きます。

    複数の業者から同じ投資話を持ちかけられた際は安易に信用せず、第三者への相談を検討しましょう。

  3. (3)「被害回復型」詐欺による二次被害のケース

    詐欺に遭った被害者に対して被害回復を持ちかけ、理由をつけて金銭をだまし取ろうとする「被害回復型」詐欺のケースもあります。

    被害に遭った直後は、「少しでもお金を取り戻したい」と考えるのが自然です。
    詐欺業者はその心理につけ込み、別の未公開株の購入・保証金の支払い・手数料の前払いなどを求めてきます。

    被害回復型の詐欺では、最初の勧誘業者とは別人に見えても、実際には同じグループである可能性があります。被害回復を理由に追加の支払いを求められても応じるのは避け、被害の拡大を防ぎましょう。

2、支払ったお金は取り戻せるのか

未公開株の詐欺やトラブルで支払ったお金を取り戻す方法はありますが、使える場面と効果は限定的です。「被害額の全額がそのまま戻ってくる」とは限らない点に注意しましょう。

以下では、未公開株詐欺に遭ってしまった場合の2つの対処方法について解説します。

  1. (1)振り込め詐欺救済法による口座凍結

    銀行口座にお金を振り込んでしまった場合には、振り込め詐欺救済法による口座凍結手続きを検討しましょう。この制度は、詐欺に使われた口座を凍結し、口座に残っている残高を被害者に分配する仕組みです。

    ただし、被害者に分配される金額は凍結時点での口座残高が上限であるため、全額が回収できるとは限りません。詐欺師が口座凍結前に全額を引き出していた場合は、分配金は受け取れなくなってしまいます。

    そのため、振り込め詐欺救済法による被害回復を望む場合は、被害に遭ってから申請するまでのスピードが重要です。振り込み後に詐欺だと気付いたときは、すぐに振込先の金融機関と警察に連絡しましょう。

  2. (2)弁護士による返金請求

    未公開株詐欺に遭ったときのもうひとつの対処方法は、弁護士を通じて返金請求を行うことです。この方法は、相手の氏名や住所がある程度わかっていることが前提となります。

    業者の実体が不明で、所在もつかめない場合には、弁護士に依頼しても請求が行えません。また、相手を特定できたとしても、全額回収できるとは限らない点にも注意が必要です。

    返金請求は有力な手段ではあるものの、相手に回収できる財産が残っていなければ、満額回収できる可能性は低いでしょう。

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3、未公開株で詐欺やトラブルに遭った場合の相談先とは

未公開株の詐欺やトラブルでは、相談先をひとつに絞るのではなく、目的に応じて使いわけることが大切です。

以下では、未公開株詐欺に遭ったときやトラブルに巻き込まれたときの主な相談先と特徴を確認していきましょう。

  1. (1)金融業界の相談窓口

    金融業界の相談窓口として挙げられるのが、日本証券業協会の「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンターです。

    被害防止コールセンターでは、通報の受付やほかの相談機関の紹介・論点の整理といったアドバイスを行っています。寄せられた情報はウェブサイトで公表されるほか、警察にも提供されます。

    「これは未公開株詐欺の手口なのか」、「今の段階で何に注意すべきか」といった内容を確認したいときに使いやすい窓口です。
    ただし、交渉の代行や返金には対応していないため、被害回復を希望する場合は別途弁護士や警察などに連絡する必要があります。

  2. (2)行政の相談窓口

    行政の相談窓口としては、金融庁の金融サービス利用者相談室と、各地の消費生活センターが代表的です。

    金融庁は、金融行政や金融サービスに関する一般的な質問・相談・意見を受け付けており、内容に応じて相談員が対応してくれます。また、詐欺的な投資に関しては専用の相談ダイヤルが設けられており、電話で相談が可能です。

    一方で、消費生活センターの消費者ホットライン「188」は、消費生活全般に関する問い合わせを受け付けています。未公開株の勧誘が契約トラブルや悪質商法の性質を含んでいる場合には、消費者ホットラインへの相談もおすすめです。

  3. (3)弁護士

    返金請求を進めたい場合は、弁護士への相談を検討しましょう。弁護士に相談する利点は、相談だけで終わらず、証拠の整理・交渉・訴訟といった次の行動につなげやすい点にあります。

    もっとも、弁護士に相談したとしても必ずお金が戻ってくるわけではありません。相手の氏名や住所が不明だったり、財産が残っていなかったりすると、請求の実効性は下がってしまいます。

    しかし、被害拡大を防ぎ、今後取るべき手段を法的に整理するという観点では、早めの相談に大きな意義があります。

  4. (4)警察

    未公開株の勧誘が単なる説明不足ではなく、最初からだます意図で行われていた疑いが強い場合は、警察への相談も検討すべきです。

    たとえば、業者が実在しない・名義や肩書を偽っていた・購入後すぐに連絡が取れなくなったといったケースでは、警察への相談が有効となります。証拠の保全や被害申告の観点からも、早めの相談を検討しましょう。

    ただし、警察は返金交渉を代行する窓口ではないため、金銭の回収まで引き受けてくれるわけではありません。そのため、警察への相談と並行して、弁護士や消費生活センターにも相談しながら対応を進めるのが現実的です。

4、未公開株の詐欺・トラブルに遭わないための予防法とは

未公開株の被害を防ぐうえで大切なのは、購入前に「その業者が本当に取り扱ってよい立場にあるのか」を確かめることです。少しでも怪しいと感じたらその場で支払うのは避け、以下の情報を確認しましょう。

  1. (1)「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」に業者がいるか確認する

    まず確認したいのは、勧誘してきた業者が「金融庁から免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」に載っているかどうかです。

    未公開株の販売等ができるのは、発行会社や金融商品取引業の登録を受けている業者(証券会社など)に限られます。業者の名称や電話番号で検索しても一覧に見当たらない場合は、その時点で強く警戒しましょう。

    なお、登録業者でも信用力が保証されているわけではないため、登録の有無だけで判断せず第三者に相談することも重要です。

  2. (2)発行会社に直接確認し、上場予定や譲渡制限の有無を確かめる

    未公開株詐欺を防ぐうえでは、勧誘業者の説明だけを信じず、発行会社に直接確認することも重要です。

    業者からは「近々上場する」と説明を受けても、発行会社に問い合わせると「上場の予定はない」と回答されるケースがあります。未公開株はそもそも上場していない株式であるため、上場予定の説明を受けた場合は発行会社に確認することが望ましいです。

    あわせて確認したいのが、譲渡制限の有無です。譲渡制限とは、その株式を他人に譲るときに会社の承認などが必要になる仕組みを指します。

    少しでも説明に食い違いがあれば、その場で契約や送金をせず、第三者の相談窓口を利用しましょう。

5、まとめ

未公開株でトラブルになった場合、支払ったお金の全額を取り戻すことは簡単ではありません。だからといって放置してしまうと、返金の可能性がさらに下がるだけでなく、二次被害につながるおそれもあります。

未公開株の取引でトラブルが生じた場合や詐欺の疑いがある場合は、早めに行動することが大切です。

未公開株のトラブルに関しては、金融業界の窓口・行政の窓口・弁護士・警察など、相談できる先は複数あります。適した相談先は状況によって異なりますが、まずは信頼できる第三者に事情を説明し、今後の対応を整理することが重要です。

返金請求や法的手続きを検討している場合は、ベリーベスト法律事務所の弁護士にご相談ください。

監修者情報
萩原達也 代表弁護士
弁護士会:第一東京弁護士会
登録番号:29985
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