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親から「詐欺にあった」と連絡が! まず何をするべき? 相談先はどこ?

公開日:2026年08月05日|更新日:2026年08月05日
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
親から「詐欺にあった」と連絡が! まず何をするべき? 相談先はどこ?
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
親から「詐欺にあった」と連絡を受けたときは、まず冷静に状況を整理することが大切です。

日本では、電話やメール・ハガキを使った特殊詐欺の被害が年々増加傾向にあります。警察庁の資料によると、令和6年の特殊詐欺認知件数は全国で2万1043件・被害総額は約719億円でした。

法人被害を除くと、65歳以上の高齢者被害が認知件数の6割以上を占めており、親世代が被害者となるリスクが高まっています。

本コラムでは、親から詐欺被害の連絡があった際にやるべきことや相談先の選び方・対策などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

出典:「令和6年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」(警察庁)

1、親から「詐欺にあった」と連絡があったら、まずやるべきこと。やってはいけないこと

親から「詐欺にあった」と連絡があった場合、どのように行動すればいいのか悩む方は多いのではないでしょうか。以下では、まず取るべき行動と避けるべき行動について具体的に解説します。

  1. (1)やるべきこと

    まずは冷静に、状況の聞き取りと証拠の確保を行い、被害の全体像を把握することが重要です。
    親から詐欺被害の連絡を受けたら、「いつ・誰から・どのように・何を言われて・どう行動したか」を丁寧に聞き取ります

    一口に「詐欺にあった、騙された」と言っても、法的な分類は以下のように分かれます。

    • 振り込め詐欺やオレオレ詐欺・架空請求などの刑法上の詐欺罪や金商法・資金決済法等により規制される行為
    • 訪問販売や訪問購入において特定商取引法等の消費者保護法制に抵触するいわゆる悪質商法と呼ばれる行為
    • 通販サイトやカタログに掲載された商品と届いた商品が異なる等の民法における詐欺・錯誤等の適用が問題となる行為
    • その他

    詐欺ではなかったとしても、意図しない契約であれば取り消せる可能性があるため、まずは弁護士や行政窓口などに相談しましょう。

  2. (2)やってはいけないこと

    親から「騙された・詐欺にあった」の連絡があった際に「やってはいけないこと」は、以下のとおりです。

    • 感情的に問い詰める
    • 証拠となる資料やデータを捨てる
    • 自分で詐欺の相手方と交渉しようとする
    • SNS等でさらす
    など

    感情的に怒ったり、親を責めたりするような言動は避けましょう
    被害の正確な聞き取りが難しくなるだけでなく、親が心を閉ざしてしまい本当のことを言わなくなる可能性や、親が相談しづらくなり、再度の被害にあってしまう可能性もあります。

    また、焦って被害に関する書類を処分したり、「怖いから」といってLINEのやりとりを削除したりする行為も危険です。
    むしろ、相手方から渡された書類は収集しまとめ、LINEなどはスクリーンショットをとって保存するなどして証拠を確保しましょう。証拠がなくなってしまえば、後からの法的対応が困難になります。

    加えて、加害者に直接連絡する行為や、SNSに被害内容を投稿する行為も控えましょう。名誉毀損(きそん)やプライバシー侵害とみなされるおそれがあるうえ、詐欺被害にあった人をターゲットに二次的な詐欺をたくらむ人たちに新たな情報を渡してしまうリスクがあります。

2、詐欺の種類や状況によって最適な相談先は変わる

詐欺の被害にあったとき、相談すべき窓口は詐欺の種類や支払い手段などの状況によって異なります。以下では、相談先の使いわけ方と、状況ごとの初期対応について確認していきましょう。

  1. (1)親から聞き取った内容を基に相談先を決める

    親から被害報告を受けた際は、詐欺の内容や被害額に応じてどこに相談するかを判断しましょう。代表的な相談先は、以下の3つです。


    相談先 概要
    消費生活センター 消費者と事業者のトラブルに一般的なアドバイスをしてくれる無料相談窓口
    弁護士 法的な問題や、返金請求・契約取り消しを視野に入れた場合の相談先
    警察 犯罪として立件できる可能性のある詐欺行為があった場合の通報先

    どこに相談すべきか、何をすべきかわからないときは、まず消費生活センターのホットライン「188」に相談しましょう。詐欺について相談することで、一般的なアドバイスや関係する相談窓口を案内してくれます。

    また、暗号資産を含む「金融サービス」については、金融庁・金融サービスに関する相談であれば金融庁の金融サービス利用者相談室があります

    詐欺罪や金融商品取引法、資金決済法等により犯罪とされる行為に該当するかの判断や返金・契約取り消しできるかなどを確認したい場合には、弁護士への相談がおすすめです。

    また、詐欺によって金銭の振り込みや個人情報の漏えいなどの被害が生じている場合は、警察に通報すべき状況となります。

  2. (2)銀行振り込みでお金を払った場合

    オレオレ詐欺などによって銀行振り込みでお金を払った場合は、できるだけ早く警察と振込先の銀行に連絡しましょう。

    振り込め詐欺と認定されれば、振り込め詐欺救済法に基づき、相手方の銀行口座の凍結手続きが進みます

    重要なのは、気づいたときにすぐ動くことです。
    振り込み直後で口座に残高がある段階で相談できれば、幾分かのお金が戻ってくる可能性があります。

  3. (3)クレジットカードでお金を払った場合

    クレジットカードを利用した詐欺被害では、カード会社への連絡が最優先です。

    まず、詐欺に気づいた時点でカード会社に連絡し、支払停止を依頼してください
    その後は、必要に応じて警察や弁護士・消費生活センターに相談します。

    契約内容によってはクーリングオフが適用できる可能性もあるため、できる限り早い段階で相談することが重要です。

家族が詐欺被害にあってしまったら、弁護士にご相談ください。
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3、被害回復はケース・バイ・ケース。「全額返金」の二次被害に注意。

詐欺被害を回復できるかどうかは状況によって大きく異なるため、一概には言えません。

インターネット上では「全額返金」をうたう法律事務所の広告もありますが、全額返金は難しいケースもあることを念頭に置いて相談先を探すべきです。

以下では、いわゆる悪徳商法等の取引に乗じて行われる消費者被害について、代表的な被害回復の方法について解説していきます。

  1. (1)特定商取引法や消費者契約法を使っての契約取り消し

    訪問販売や電話勧誘、ネット通販などの取引では、特定商取引法や消費者契約法によって契約を取り消せる場合があります。

    たとえば、重要な事実を説明されないまま契約した場合や、不安をあおる説明によって冷静な判断ができずに契約した場合などです。不当な手段を用いた取引には、契約を取り消し、もしくは無効にできる余地があります。

    ただし、すべての取引が対象になるわけではなく、適用できるかどうかは契約形態や勧誘の状況次第となります。

  2. (2)クーリングオフ

    一定の取引では、理由を問わず契約を解除できるクーリングオフ制度が使える場合があります。

    対象となるのは、訪問販売や訪問購入・電話勧誘販売など特定商取引法で認められている取引です。法律に定められた記載事項を記載した申込書面又は契約書面を受け取ってから原則として8日以内(取引類型によっては20日以内)であれば、無条件で契約を取り消せます。

    ただし、クーリングオフはすべての契約が対象になるわけではなく、期間を過ぎてしまうと使えなくなります。親から被害の相談を受けた際は、できるだけ早く契約日や書面の有無を確認し、専門機関に相談することが重要です。

  3. (3)民法の詐欺錯誤での契約取り消し

    契約内容について誤解があった場合や、虚偽の説明で契約した場合には、民法の詐欺・錯誤での契約取り消しが問題となります。

    たとえば、契約に関する重要事項を勘違いしたり、商品の内容について事実と異なる説明を受けたりして契約した場合などです。
    このようなケースでは、詐欺や錯誤を理由に契約の無効を主張できる可能性があります。

    民法を根拠とする場合は、だまされたことや誤解があったこと等主観的な要件を立証する必要がある点に注意が必要です。

4、予防に大切なのはコミュニケーション

詐欺被害を未然に防ぐためには、日頃から家族で情報を共有し、お互いに気をかけ合うコミュニケーションが大切です。以下では、家庭で取り組める予防策を4つ解説します。

  1. (1)家族と今からできる対策を考える

    事前の備えとして、家族間で詐欺対策を話し合っておくことは非常に重要です。

    たとえば、電話でのやりとりが多い家庭では、本人確認のための合言葉を決めておくと安心できるでしょう。家族間だけで通じる言葉を決めておくことで、オレオレ詐欺のような家族を名乗る偽装電話がかかってきた際にも冷静に見抜けます。

    また、実際にあった詐欺の手口を共有したり、怪しい電話の事例を確認したりしておくことは、詐欺かもしれないとの警戒を持つために必要な知識を備えることにつながります。

  2. (2)離れて暮らしている場合は定期的に行き来したり、連絡する

    親が離れて暮らしている場合は、定期的に行き来したり、電話をしたりして近況を確認しましょう。

    久しぶりに訪れたときは、不要な商品が増えていないか、見覚えのない契約書類が届いていないかといった点に注意してください。
    また、日常の会話の中で、怪しい投資などの話が出た場合には要注意です。ポストに届くチラシやハガキの内容の確認も、詐欺の兆候を見つける手がかりになります。

    もし不審な点や変化に気づいた場合は、その場で一緒に状況を整理し、必要に応じて専門機関に相談することが大切です。

  3. (3)防犯機能付き電話やセキュリティーアプリで詐欺電話を予防する

    最近では、高齢者を詐欺から守るための防犯機能が備わった電話機やセキュリティーアプリも増えています。これらをうまく活用することで、詐欺の入り口となる電話を遮断できます。

    たとえば、固定電話であれば、録音機能や警告メッセージを流す機能が備わっている電話機への切り替えを検討しましょう。

    スマートフォンを使っている場合は、機能が制限されたシニア向けスマートフォンを利用したり、迷惑電話を自動で検知・警告してくれるアプリの導入も効果的です。

  4. (4)認知症になる前に家族信託や成年後見制度の利用を検討する

    将来的に親の判断能力が低下した場合に備え、財産管理や契約対応を家族でサポートできる仕組みを整えておくことも大切です。

    家族信託は、本人が元気なうちに信頼できる家族に財産管理や運用を託す制度です。
    多額のお金が必要なときにはまず家族に相談する仕組みができるため、財産が悪質な第三者の手に渡ることを防げます。

    一方で、成年後見制度は、すでに判断能力が低下した方の代わりに、後見人が財産保護や身上監護などを行う制度です。
    リフォーム詐欺などに巻き込まれた場合、後見人が判断し、必要な手続きを行えるようになります。

5、まとめ

親から「詐欺にあった」と連絡を受けたときは、まず事実関係を整理し、第三者に相談することが重要です。詐欺の被害回復はケースによって大きく異なるため、状況に応じて信頼できる相談先を判断しましょう。

当事務所では消費者問題のご相談は有料ではあるものの、多数の弁護士が在籍しており、全国に拠点があるため相談しやすいことが特徴です。

今後の対応に不安がある方は、ぜひベリーベスト法律事務所への相談を検討してみてください。

監修者情報
萩原達也 代表弁護士
弁護士会:第一東京弁護士会
登録番号:29985
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