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支払督促というハガキが届いた! 詐欺? 本物? どうすればいい?
支払督促が届いた際にまず疑ってほしいのは、それが「本物の通知」か、それとも「詐欺」なのかという点です。近年では、支払督促や少額訴訟などを悪用した架空請求などの詐欺手口も存在します。
本コラムでは、支払督促が届いたときの対処法や相談先などについて、ベリーベスト法律事務所 消費者問題専門チームの弁護士が解説します。
1、「支払督促」のハガキが届いたら、まず本物かどうか確認を
支払督促のハガキが届いたら、まずはその内容が本物であるかどうかの確認が必要です。しかし、ハガキに記載された連絡先に電話をかけてしまうと、詐欺グループと直接つながってしまうリスクがあります。
そのため、直接連絡をとることは避けて、以下のような対応を行いましょう。
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(1)裁判所を調べて連絡する
まずは、支払督促が本当に裁判所から送付されたものかどうかを確認することが重要です。以下の最高裁判所の公式サイトにアクセスし、該当する裁判所の所在地と電話番号を調べましょう。
参考:「各地の裁判所の所在地・電話番号等一覧」(最高裁判所)
ハガキに書かれた裁判所名と一致する施設を見つけたら、「公式サイト記載の電話番号」に連絡し、支払督促の有無を確認します。
詐欺のハガキでは、実在する裁判所が記載されていたとしても、連絡先が改ざんされている可能性があるため注意が必要です。書類の名称や裁判所名の表記に惑わされず、正規ルートで確認することを心がけましょう。 -
(2)本当の支払督促や少額訴訟であった場合の通知形式
もし支払督促や少額訴訟が本物だった場合、裁判所から「特別送達」という特別な郵便形式で送られてきます。特別送達は、裁判所の名が入った封筒で送られるもので、受取時には署名または押印が求められます。
郵便受けに入れられていた場合や、内容に事件番号・事件名が記載されていない場合は、詐欺の疑いがあるため注意が必要です。
また、支払督促では書類に振込先の口座が記載されることはないため、その点でも偽物かどうかを判断できます。 -
(3)証拠は捨てずにとっておく
届いたハガキが怪しいと感じたとしても、すぐに捨てるのは避けてください。
警察や消費生活センターに相談する際、ハガキに記載された差出人・連絡先・請求内容などが、調査を進める上での証拠になります。また、もし本物の通知だったことが判明した場合にも、弁護士に相談する際に必要な情報となります。
したがって、ハガキは捨てずに、封筒や同封物などもあわせて保管しておくようにしましょう。 -
(4)消費者相談窓口に相談する
自分で判断するのが難しい場合には、消費者ホットライン「188」に相談するのが効果的です。この番号に電話をかけると最寄りの消費生活センターに接続され、専門の相談員が対応してくれます。
相談の際は、ハガキの文面や差出人・電話番号などを伝えることで、詐欺の可能性があるかどうかを確認してもらえます。
なお、身に覚えがない請求にもかかわらず悪質な取り立てをされている場合には、警察への相談・届け出も検討しましょう。
2、そもそも支払督促とは何か
「支払督促」とは、裁判所を通じて金銭の支払いを求める法的手続きのひとつです。
以下では、支払督促制度や少額訴訟制度の意義や使われる場面について、具体的に確認していきましょう。
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(1)支払督促制度の意義
支払督促は、簡易裁判所が債権者からの申し立てを受け、債務者に対して支払いを督促する手続きです。家賃や賃金・売掛金などの未払いが発生した際に、裁判所による書面審査のみがなされ、裁判所への出廷不要で上限なく支払いを求められる特徴があります。
債務者が異議申立てをしない場合は、「仮執行宣言付支払督促」を送達し、強制執行手続きを行うことも可能です。仮執行宣言付支払督促とは、支払督促に強制執行の効力を付与したものです。
支払督促制度は正当な債権回収の手段として、多くの事業者や個人が利用しています。 -
(2)支払督促制度が使われる場面
支払督促制度は、主に以下のようなケースで使われます。
- 裁判所に出廷せずに債権を回収したい場合
- 相手から異議を申し立てられる可能性が低い場合(強制執行が見込める場合)
- 相手の住所が明確である場合
債務者が支払いを怠ったまま応じない場合に、裁判を起こすよりも簡単かつ費用がかからない方法として、支払督促が選択されます。
しかし、この制度を悪用し、あたかも正式な請求であるかのように見せかけた詐欺の手口も存在するため注意が必要です。 -
(3)少額訴訟制度の意義と使われる場面
支払督促と同様に債権回収の方法として利用される制度に、「少額訴訟」があります。少額訴訟とは、60万円以下の金銭請求について、原則1回の審理だけで判決を下される手続きです。
少額訴訟の目的は、少額の金銭トラブルに簡易かつ迅速に対応することにあり、以下のようなケースで利用されます。- 60万円以下の金額を請求する場合
- 1日で決着させたい場合
- 証拠がそろっており勝訴が見込める場合
正式な支払督促や少額訴訟でなければ、無視しても問題ありません。しかし、これらの制度を悪用して架空請求が行われるケースも存在します。
次章では、もし支払督促や少額訴訟の通知が本物だった場合にどうするべきかについて解説します。
3、支払督促や少額訴訟が本物だった場合、どうするべきか
支払督促や少額訴訟の通知が本物であると確認できた場合、どのように対応すべきなのでしょうか? とるべき対応は、大きく分けて以下の3つです。
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(1)弁護士に相談する
支払督促や少額訴訟の通知を受け取ったら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。支払督促・少額訴訟は法的手続きの一部であり、対応を間違えると不利益を被る可能性があるためです。
弁護士であれば、請求内容の妥当性や反論の余地があるかどうかを法的な観点から判断し、今後の対応方針をアドバイスできます。
支払督促や少額訴訟には対応しなければならない期限も定められているため、できるだけ早めの相談を検討しましょう。 -
(2)身に覚えがない場合は督促異議の申し立てを行う
支払督促の内容に心当たりがない場合は、裁判所に対して「督促異議の申立て」を行います。異議申立ては支払督促を受け取った日から、2週間以内に行う必要があるため、早めに手続きを進めましょう。
また、少額訴訟であった場合は、放置してしまうと相手方の主張が認められ、敗訴するおそれがあります。身に覚えがなかったとしても、自分の主張を「答弁書」という書面に記載して提出し、指定された期日に裁判所への出頭が必要です。
具体的な対応については、弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。 -
(3)放置して差し押さえとなった場合の対応
支払督促を放置してしまうと、財産差し押さえなどの強制執行をされる可能性があります。
すでに差し押さえをされてしまった場合、強制執行手続きを止めるには「請求異議の訴え」を提起しなければなりません。
請求異議訴訟は、通常の裁判と同様に法的知識や証拠資料が求められるため、自力で対応するのは困難です。
この場合は、弁護士に依頼して対応することが有効な方法となります。放置すると手続きがより複雑になるため、できる限り早い段階での対応が重要です。
4、まとめ
支払督促や少額訴訟の通知が届いた場合は、まず本物であるかどうかを確認しましょう。裁判所からの通知ではなく偽物であった場合は、無視しても問題はありません。
しかし、詐欺師が支払督促や少額訴訟の制度を悪用してだまそうとしてくる場合もあります。正式な手続きにより送達された通知であった場合、無視してしまうと不利益を被るおそれがあるため注意が必要です。
通知が本物かどうかの判断がつかない場合は、必要に応じて消費者ホットライン「188」や弁護士に相談しましょう。
支払督促や少額訴訟に関するトラブルは、対応の早さと正確さが重要です。少しでも疑問や不安がある場合は、ベリーベスト法律事務所 消費者問題専門チームの弁護士へご相談ください。
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