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リースバックでだまされたかも!? 起こりうるトラブルと解決方法
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)国民生活センターが公表しているデータによると、リースバックに関する令和6年度の相談件数は239件でした。令和元年の24件に比べると相談件数が大幅に増加しており、消費者に向けて注意が呼びかけられています。
リースバック契約の勧誘を受けて契約したものの、「だまされたのではないか」と不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本コラムでは、リースバックで起こりうるトラブルや契約を取りやめる方法などについて、ベリーベスト法律事務所 消費者問題専門チームの弁護士が解説します。
出典:「強引にすすめられる住宅のリースバック契約にご注意! -本当に「そのまま“ずっと”住み続けられる」契約ですか?」(国民生活センター)
1、リースバックでだまされた!? 起こりうるトラブルとは
住宅のリースバックでは、契約を結んだ後に思わぬトラブルが発生するおそれがあります。リースバックのトラブルとしてよくあるのは、以下のパターンです。
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(1)買い戻しができない
リースバックで「将来的に家を買い戻したい」と思っていても、実際には買い戻しができずトラブルになるケースがあります。
リースバック後に買い戻しを希望している場合は、将来のトラブル防止のため、契約時に「買い戻し特約」もしくは「売買予約」の条項を記載した契約書を作成しましょう。
買い戻し特約は、不動産を売却した後、一定の条件でその不動産を再取得できる権利を売主に与える特約です。対して売買予約は、リースバック会社との間で再売買の予約をする方法を指します。
買い戻しの条件については事前に確認し、契約書にも明記しておくことが望ましいです。 -
(2)契約更新ができずに住めなくなる
リースバック契約後、契約更新ができずに退去を求められてトラブルに発展するケースもあります。
リースバック後に結ぶ賃貸借契約は、借り主の希望で契約更新ができる「普通借家契約」だけではありません。契約期間の満了後、自動的に契約終了となる「定期借家契約」も存在します。
定期借家契約を結ぶと、一定の期間その家に住めますが、契約期間が過ぎればその家に出ていかなければなりません。契約内容は事前によく確認するようにしましょう。 -
(3)強引に契約を結ばされた
リースバック業者から強引に契約を迫られ、冷静な判断ができないまま契約を結んでしまうケースもあります。
リースバック契約をする際は、メリットだけでなくデメリットも十分に検討したうえで判断すべきです。しかし、「今決めないと条件が悪くなる」などの言葉で急かされ、その場で契約を結ばされる場合もあるでしょう。
強引に契約を迫られたり不利な条件を提示されたりしたときは、その場での契約は避けて第三者に相談することをおすすめします。 -
(4)買いたたかれたことに気が付いた
契約後に近隣の不動産価格や同様の物件と比較して、買いたたかれたことに気づくケースもあります。
リースバック事業者は、物件の転売や収益化を目的としているため、実勢価格よりも低い価格で買い取る傾向が強いです。市場価格の6割〜8割程度での買い取りが一般的とされており、だまされたと感じる可能性もあるでしょう。
明らかに安い売却価格で契約してしまわないよう、複数のリースバック事業者に見積りを依頼するなどして自身である程度の相場を把握しておくことが重要です。
2、そもそもリースバックとは
そもそも、リースバックとはどのような契約なのでしょうか? 以下では、リースバックの基本的な仕組みやメリット・デメリットについて解説していきます。
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(1)リースバックとは?
リースバックとは、自宅などの不動産を売却した後、買い主に毎月賃料を支払うことでその不動産に住み続けられるサービスです。
契約上は「売買契約」と「賃貸借契約」がセットになっており、家を売って資金を得た後、賃料を支払って同じ家に居住し続けます。
主に、老後資金や医療費などでまとまったお金が必要となったときに利用される方法です。リースバック自体は怪しいサービスではありませんが、仕組みや契約内容についてはよく理解しておく必要があります。 -
(2)リースバックのメリット
リースバック契約の代表的なメリットは、以下のとおりです。
- 売却後も同じ家に住み続けられる
- 売却代金を老後資金、事業資金、教育費等の資金として活用できる
- 維持管理費の負担を軽減できる
リースバックを利用すると不動産の所有者ではなくなるため、住宅の維持にかかる税金などの負担が軽減されます。
住環境を変えずに、短期間で経済的な問題を解決できる手段として活用できるでしょう。 -
(3)リースバックのデメリット
一方で、リースバックには注意すべき点も多くあります。主なデメリットは、以下のとおりです。
- 売却価格が相場より安くなる
- 毎月家賃を払い続ける必要がある
- 契約期間に制限が設けられている可能性がある
- 買い戻しには高額な費用がかかる場合がある
重大なデメリットもあるため、利用する際は慎重に判断する必要があります。後々のトラブルを防ぐには、事前の情報収集と比較検討が不可欠です。
3、リースバック契約を取り消せる方法はある?
リースバック契約を結んだ後でも、状況によっては契約を取り消したり、無効にできたりする可能性があります。なお、解約や退去といった選択肢もありますが、違約金が高額に設定されている可能性があるため、注意が必要です。
以下では、契約を取り消せるケースについて具体的に確認していきましょう。
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(1)不実告知で消費者契約法によって取り消せる可能性
リースバック業者から事実と異なる説明をされて契約した場合、契約を取り消せる可能性があります。重要事項に関する虚偽の説明は消費者契約法における「不実告知」にあたり、契約の取り消しが認められるためです。
ただし、説明された内容と契約書の内容に食い違いがある場合、虚偽を立証することが難しくなるおそれもあります。
契約時の録音やメモ、業者のチラシやメールなど証拠になるものはできるだけ残しておくようにしましょう。 -
(2)詐欺、錯誤で民法によって取り消せる可能性
リースバック業者が重要な事実を隠したり、誤解するような説明をしたりして契約した場合は、契約を取り消せる可能性があります。
民法では、契約内容に「詐欺」または「錯誤」があった場合、意思表示は無効や取り消しできると定めているためです。錯誤とは、意思表示における間違いや勘違いを指します。
ただし、意思表示をした側に重大な過失がある場合、契約の取り消しは認められない可能性もあります。契約内容に疑わしい点がある場合は、まず弁護士に相談して判断しましょう。 -
(3)そのほかの契約を取り消せる可能性があるケース
不実告知や詐欺・錯誤以外にも、次のようなケースに当てはまれば、契約の取り消しを主張できる可能性があります。
- 重要事項の説明が不十分なまま契約した場合
- 不当な勧誘により不本意な契約を結ばされた場合
上記の疑いがある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
なお、「契約後にクーリングオフできるのでは」と考えがちですが、リースバックは原則としてクーリングオフの対象になりません。
宅地建物取引業法に基づくクーリングオフは、「売り主が不動産会社で買い主が個人」であることが適用条件となっています。リースバックは「売り主が個人で買い主が不動産会社」であるため、クーリングオフの対象外です。
4、リースバック契約でトラブルが起こった場合の相談先
リースバック契約で「だまされたかもしれない」「話が違う」と感じたときは、できるだけ早く第三者に相談することが重要です。主な相談先としては、以下の2つが挙げられます。
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(1)消費生活センター
消費生活センターは、消費者トラブル全般の相談窓口です。商品の購入やサービスの契約などに関する相談を無料で受け付けており、リースバックの相談にも対応しています。
たとえば、「契約内容と説明が違った」「強引な勧誘を受けた」といったトラブルについて、専門の相談員が対応してくれます。
解決できる方法や相談できる機関を助言してくれる場合もあるため、悩んだときの最初の相談先としておすすめです。 -
(2)弁護士
リースバック契約における法的なトラブルに対応するには、弁護士への相談もおすすめです。
弁護士は、契約書の内容を法的にチェックし、不備や違法な勧誘の有無を見極めたうえで、具体的な対応策を提案できます。突然退去を求められた場合や買い戻しを拒否された場合にも、リースバック業者への対応や交渉を任せられます。
トラブルが予測される状況の場合は、早めに弁護士への相談を検討しましょう。
5、まとめ
リースバックは家を売却した後も住み続けられる便利な制度ですが、契約内容が複雑なため慎重な確認が求められます。
「買い戻しできない」「退去を求められた」といったトラブルは、事前に契約内容を理解しておけば防げるケースも多いでしょう。しかし、中には強引な勧誘や誤解を招く説明などにより、不当に契約を結ばされる事例も存在します。
「だまされたかもしれない」と感じたときは、ひとりで悩まずに消費生活センターや弁護士などの専門機関に相談することが大切です。適切なサポートを受けることで、契約の見直しやトラブルの解決につながる可能性があります。
リースバック契約に関するトラブルは、お早めにベリーベスト法律事務所 消費者問題専門チームの弁護士にご相談ください。
消費者トラブルへの知見が豊富な消費者問題専門チームの弁護士が問題の解決に取り組みます。
マルチ商法や霊感商法、悪徳商法などをはじめとした消費者トラブルでお困りでしたら、ぜひ、お気軽にご相談ください。