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訪問販売でリフォーム契約してしまった! 取り消しできる? お金は戻ってくる?
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)クーリングオフができないとしても、別の方法で契約を解消できる可能性はあります。行政機関の窓口や弁護士などに相談し、対処法を検討しましょう。
本記事では、訪問販売を受け結んだリフォーム契約を解消する方法や、悩みを抱えている場合の主な相談先などを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
1、訪問販売を受けてリフォーム契約をした場合は、クーリングオフができる
「訪問販売」とは、事業者が消費者の自宅を訪問するなどして、営業所や店舗以外の場所で契約の申込みや締結を勧誘する取引形態をいいます。家のリフォームについても、訪問販売による勧誘が行われています。
リフォームの訪問営業を受けた場合、突然の訪問や点検を口実とした相手の巧みな話術に押されて、消費者が十分に検討する時間を与えられないままその場の流れで契約を締結してしまう例が見られます。後から冷静になって考えると必要ないことが分かり、後悔してしまうケースが少なくありません。
このような一般消費者を救うため、訪問販売によって結んだリフォーム契約については「クーリングオフ」が認められています。クーリングオフとは、一定期間、消費者がペナルティーなしで事業者との契約を解除できる制度です。
訪問販売を受けてリフォーム契約を結んだ人は、所定期間内に相手方の訪問販売業者に対してクーリングオフ通知を発送すれば、契約を解除することができ、原則として違約金や損害賠償を請求されることはありません。
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(1)クーリングオフ期間は「契約書面の受領日を含めて8日間」
訪問販売のクーリングオフ期間は、消費者側が事業者から法定の記載事項を満たした契約書面を受け取った日を含めて8日間とされています(特定商取引法第9条第1項)。
たとえば令和7年10月1日に訪問販売を受け、その日のうちに契約書面を受け取って契約を締結したとします。この場合、クーリングオフは令和7年10月8日まで認められます。 -
(2)クーリングオフの方法
クーリングオフ期間内に、事業者に対して書面または電磁的記録(メールなど)で通知を発すれば、その時点でクーリングオフの効力が生じます(特定商取引法第9条第2項)。
期間内に事業者へ到達している必要はなく、発信・発送した時点で足ります。
後日のトラブルを防ぐため、クーリングオフ通知は、必ず記録の残る方法で発送しましょう。郵便なら「簡易書留」「特定記録郵便」「内容証明郵便」などの利用が推奨されます。
メールでクーリングオフ通知を行うことも可能です。その場合は、送信日時や送信内容をスクリーンショットなどで保存しておきましょう。
クーリングオフの具体的な方法については、下記のページも併せてご参照ください。
2、クーリングオフの8日間が過ぎても、リフォーム契約を解消できる可能性があるケース
訪問販売のクーリングオフ期間は8日間ですが、契約締結日から起算して8日間が過ぎても、以下の場合には契約の解除や取消しが認められる可能性があります。
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(1)適切な契約書面が交付されていなかった場合
訪問販売の契約書面には、以下の事項を記載することが義務付けられています(特定商取引法第4条第1項、特定商取引法施行規則第5条)。
- ① 商品、権利または役務の種類
- ② 販売価格(対価)
- ③ 代金(対価)支払いの時期と方法
- ④ 商品の引渡時期、権利の移転時期または役務の提供時期
- ⑤ クーリングオフに関する事項
- ⑥ 事業者の氏名または名称、住所および電話番号、法人の場合は代表者の氏名
- ⑦ 契約の申込みまたは締結を担当した者の氏名
- ⑧ 契約の申込みまたは締結の年月日
- ⑨ 商品名および商品の商標または製造者名
- ⑩ 商品に型式があるときは、当該型式
- ⑪ 商品の数量
- ⑫ 事業者の契約不適合責任についての定めがあるときは、その内容
- ⑬ 契約の解除に関する取り決めがあるときは、その内容
- ⑭ ⑫⑬のほかに特約があるときは、その内容
上記の事項の全部または一部が欠けている場合や契約書面自体が交付されていない場合、原則としてクーリングオフ期間は進行しないので、その結果、期間経過後であってもクーリングオフが可能となる場合があります。
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(2)クーリングオフについてうそをつかれ、または脅された場合
事業者が「クーリングオフはできない」などと事実と異なる説明をし、消費者がそれを信じた場合には、改めて適法な契約書面が交付されない限り、8日間のクーリングオフ期間は進行しません。
また、事業者が「クーリングオフをしたら大変なことになる」などと脅し、消費者がそれによってクーリングオフを断念した場合も、改めて適法な契約書面が交付されない限り、8日間のクーリングオフ期間は進行しません。
これらの場合には、当初の契約書面の受領日から8日間が過ぎていても、クーリングオフができます。 -
(3)契約を取り消せる場合|法令違反・錯誤・詐欺など
クーリングオフとは別に、不適切な形で契約が締結された場合には、契約を取り消せることがあります。
消費者がリフォーム契約を取り消せるのは、たとえば以下の場合などです。① 法令違反の勧誘が行われた場合
事業者が消費者契約法や特定商取引法に違反する不当な勧誘をした場合には、消費者はリフォーム契約を取り消すことができます。
(例)
- 重要な事実についてうそをついた
- 将来的な変動が不確実な事項について、「絶対●●になる」といった断定的判断を提供した
- 消費者にとって不利益な事実を言わなかった
- 不安をあおる勧誘をした
- 霊感商法
- デート商法
② 消費者が重要な事実を誤認していた場合
リフォーム工事の内容や契約金額など、取引上重要な事実を消費者が錯誤していた場合は、その錯誤について重過失がない限り、錯誤に基づいて契約を取り消せる可能性があります(民法第95条)
③ 消費者が事業者にだまされた場合
事業者が故意に虚偽の説明を行い、リフォーム契約を結んだときは、詐欺に基づいて契約を取り消すことができます(民法第96条第1項)。 -
(4)事業者と契約の解除を合意した場合
消費者と事業者が合意すれば、リフォーム契約を解除することができます。ただし、事業者は解除を拒否してくる場合もありますので、その時は別の方法を検討しましょう。
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(5)事業者が契約上の義務を果たさなかった場合
リフォーム契約に定められた義務を事業者が果たさなかったときは、消費者は原則として相当な期間を定めて履行をするよう催促した(これを催告といいます)後、債務不履行に基づき契約を解除することができます(民法第541条)。
また、事業者の義務が履行できない状態にある場合などには、催告せずとも契約の解除ができる場合があります(民法第542条)。
債務不履行解除が認められるのは、リフォーム工事の施工内容が契約と大きく異なっている場合や、修補不可能な欠陥が生じた場合などです。
3、訪問販売によるリフォーム契約の問題は、ひとりで抱え込まずに相談を|主な相談先を紹介
リフォーム契約を解消する方法などを解説しましたが、どの方法が適しているのかを判断するのは難しいかと思います。ひとりで悩むことなく、行政機関の窓口や弁護士、刑事事件の可能性がある場合に限られますが警察などに相談しましょう。
各窓口では、以下のようなサポートを受けることができます。
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(1)行政機関の窓口|消費生活センターなど
訪問販売などによる事業者との契約トラブルについては、主に消費生活センターが相談を受け付けています。相談は無料です。
消費生活センターでは、解決方法についてのアドバイスを受けられるほか、国民生活センターのADR(裁判外紛争解決手続)についても案内してもらえます。
各地に設置された事務所のほか、消費者ホットライン(188)での電話相談も受け付けています。 -
(2)警察
事業者が訪問販売を行う際、退去を求められたのに拒否して居座ることや、消費者にうそをついてお金をだまし取ることは犯罪に当たります。
これらの犯罪行為の被害に遭った場合は、警察に相談して被害届を提出しましょう。事業者の行為が悪質である場合は、捜査を経て摘発してもらえる可能性があります。 -
(3)弁護士
リフォーム訪問販売に関するトラブルの相談は、法律の専門家である弁護士も受け付けています。弁護士に相談すれば、以下のようなサポートを受けられます。
- クーリングオフ通知の文章作成、弁護士名による送付
- 事業者との交渉の代理
- 訴訟などの裁判手続きの代理
ベリーベスト法律事務所でも、有料にて訪問販売のトラブルの相談を受け付けています。クーリングオフできるかどうか分からない場合や、事業者とのやり取りに不安を覚える場合には、当事務所にご相談ください。
リフォーム業者から受けた勧誘や締結した契約の内容など、事実関係を整理しておくとスムーズに相談ができます。トラブルに関連する資料(契約書など)がある場合は、相談の際にご持参ください。
4、弁護士に依頼した後はどうなる?対応の流れ
訪問販売によるリフォーム契約の問題解決を弁護士に依頼した場合、以下の流れで手続きや対応が進みます。
- ① 法律相談(原則として有料)
- ② 委任契約書を結ぶ、着手金の支払い、弁護士の対応開始
- ③ クーリングオフ、契約の取り消し・解除などの通知の送付
- ④ 事業者との和解交渉
- ⑤ 訴訟などの裁判手続き
- ⑥ 解決(支払ったお金の返金など)
弁護士に相談した場合でも、正式な依頼が必須というわけではありません。法律相談だけを利用することもできます。訪問販売に関するトラブルにお悩みの方は弁護士へご相談ください。
5、まとめ
訪問販売を受けてリフォーム契約を締結したものの、後悔してしまうケースや、本当に必要かどうか不安になってしまうケースもあるかと思います。
その場合は、契約書などの資料をそろえたうえで、行政機関の窓口や弁護士などに相談してみましょう。解決策のアドバイスを受けられます。
消費者トラブルへの知見が豊富な消費者問題専門チームの弁護士が問題の解決に取り組みます。
マルチ商法や霊感商法、悪徳商法などをはじめとした消費者トラブルでお困りでしたら、ぜひ、お気軽にご相談ください。