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詐欺被害に遭った時は弁護士に相談するのがおすすめ! その理由を解説
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)弁護士は、詐欺かどうかの法的判断を行い、被害を最小限に抑えるための交渉や訴訟、刑事告訴のサポートまで幅広く対応できます。また、事業者や加害者とのやり取りを代理できるため、精神的負担を大きく軽減できるというメリットもあります。
今回は、詐欺被害に遭った際に弁護士へ相談するメリットや注意点、相談の流れ、依頼後の弁護士の対応について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
1、「詐欺に遭ってしまったかも!?」と思った時、弁護士に相談するメリットとは
詐欺被害の疑いがある場合、「まずどこに相談すべきか」で迷う方も多いと思います。警察や行政窓口でも対応は可能ですが、被害額や相手方との交渉の難易度を考えると、弁護士への相談が有効なケースも少なくありません。以下では、弁護士に相談する具体的なメリットと各相談窓口の特徴を紹介します。
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(1)弁護士であれば、詐欺かどうかを法的に判断できる
「これは詐欺なのか、それとも単なる契約トラブルなのか」という線引きは、法律の専門知識がないと判断が難しいことがあります。
弁護士であれば、法律や判例などを踏まえて、詐欺の可能性があるかどうかを法的観点から分析し、今後どのような対応をとるべきかアドバイスできます。詐欺にあたるかどうかによって今後の対応が変わってきますので、まずは弁護士に相談して判断してもらいましょう。 -
(2)弁護士であれば、被害を最小限に抑えるための具体的なアドバイスができる
残念ながら、詐欺被害の全額回収は容易ではありません。また、詐欺被害は、放置すればするほど被害額が膨らむおそれがあります。
このような場合でも早めに弁護士に相談すれば、加害者の資産や所在が不明になる前に、仮差押えなどの法的手続きをすべきかなど、最適な対策を検討できます。また、追加の金銭要求や二次被害を防ぐための対策、記録の残し方なども具体的にお伝えすることができます。
これにより被害を最小限に抑えることが可能になるのです。 -
(3)事業者・加害者との交渉を任せられ、精神的負担を軽減できる
加害者や詐欺事業者とのやり取りは、精神的にも大きなストレスとなるでしょう。
弁護士であれば、これらの交渉や書面のやり取り全てにおいて代理人となれるため、自分で直接対応する必要がなくなります。また、弁護士が介入することで、相手が軽率な発言や行動を控えるようになるなどの効果も期待できます。 -
(4)刑事告訴のサポートも可能
詐欺は刑法で定められた犯罪であり、要件を満たせば刑事告訴を行うことが可能です。
しかし、告訴状の作成や証拠の整理、警察とのやり取りは専門的で複雑なため、個人で行うのは困難です。
弁護士であれば、刑事告訴の可否を判断し、必要に応じて告訴状の作成や提出をサポートできます。なお、告訴が提出されたとしても、警察や検察が必ず捜査を開始するとは限らず、証拠や事件性の有無により受理されないケースもあります。
刑法上の詐欺罪の要件については4章で詳しく解説します。 -
(5)弁護士・警察・行政窓口の特徴比較
詐欺被害に遭った場合の相談窓口には、弁護士以外にも警察や行政窓口などがあり、状況によっては、弁護士以外の相談窓口を選んだ方がよい場合もあります。
以下では主な窓口の特徴を紹介します。
窓口 主な役割 メリット 注意点 弁護士 法的判断、交渉、訴訟、刑事告訴のサポートなど 当事者の代理人として被害回復や刑事告訴に対応できる 相談料や着手金などの費用がかかる 警察 刑事事件の捜査・立件 犯罪に該当する事案であれば捜査が開始される 民事的な返金交渉は不可 行政窓口(消費生活センターなど) 事業者への指導やアドバイス 無料で相談でき、事業者に行政指導が入ることもある 強制力がなく、当事者の代理人として行動できない
2、「全額返金」をうたっている弁護士に注意!
詐欺被害に遭った直後は「早くお金を取り戻したい」という思いが強くなります。その心理につけ込み、「全額返金できます」「必ず取り戻します」といった過剰な広告を出す弁護士事務所も存在します。
しかし、詐欺被害は必ずしも全額回復できるとは限らず、このような広告に安易に飛びつくと二次被害を受けるおそれがあります。以下では、その理由や注意点を説明します。
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(1)詐欺被害の全額回復を確約できない理由
詐欺被害の場合、加害者が資産を隠したり、使い果たしてしまっているケースが多く、仮に裁判で勝訴しても実際にお金を取り戻せないことがあります。また、詐欺グループが複数の口座を経由させて資金を移動させるなど、追跡が困難なケースも少なくありません。
弁護士が尽力しても、現実的には被害額の一部しか回収できないケースや全く戻ってこないケースが多いのが実情です。そのため、「全額回収保証」や「必ず返金」といった表現で被害回復を確約することはできないのです。 -
(2)悪質な弁護士に依頼した場合の二次被害のリスク
「全額返金」をうたう一部の悪質な弁護士は、着手金だけ受け取り、実際にはほとんど動かないというケースがあります。結果的に、詐欺被害に加えて弁護士費用分の損失まで負うことになり、二重の被害を受けることになります。さらに、こうした事務所は、依頼者の知識不足を逆手に取り、進行状況を曖昧にしたまま長期間引き延ばすこともあります。
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(3)ネット広告で注意すべきポイントと見極め方
弁護士や法律事務所の広告を見る際には、以下の点に注意してください。
- 「全額返金」「100%取り戻せます」など断定的な表現が使われていないか
- 料金体系が明確に記載されているか(着手金・成功報酬・実費など)
- 実際の解決事例や回収実績が具体的に示されているか
- 弁護士の氏名や所属弁護士会が明記されているか(無資格業者ではないか)
- 契約前に十分な説明や質問への回答が行われているか
- 実際に相談をした際に、弁護士と相談できているか(事務員としか連絡が取れない事務所ではないか)
- 所属している弁護士がひとりしかいないのに24時間365日相談できる、と書いていないか
広告はあくまできっかけであり、信頼できる弁護士かどうかは面談や説明内容で判断することが大切です。また、複数の事務所に相談して比較検討することも有効です。
3、弁護士相談の流れ
詐欺被害に関する弁護士相談は、初めて利用する方にとって不安や疑問が多いものです。「予約はどうすればいい?」「何を持って行けばいい?」といった疑問を解消しておくことで、スムーズに相談が進み、限られた時間を有効活用できます。以下では、相談の流れと準備すべき資料、家族同席の可否について説明します。
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(1)相談予約から当日の相談までの流れ
弁護士相談の一般的な流れは、以下のとおりです。
① 事務所へ問い合わせ・予約
電話やWebフォームから、相談希望日や概要を伝えます。被害内容や相談の目的を簡単に整理しておくと予約がスムーズです。
② 事前ヒアリング
事務所によっては、相談前に被害状況や相手方の情報などを簡単に聞き取る場合があります。
③ 相談当日
弁護士が被害の経緯や証拠を確認し、法的評価や対応策を提示します。必要に応じて、依頼するかどうかを判断します。
④ 契約・着手
依頼する場合は、委任契約書を交わし、着手金などの費用を支払って弁護士が正式に動き始めます。
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(2)弁護士相談に持参するべき資料・証拠
相談の精度を高めるためには、可能な限り多くの情報・資料を持参することが大切です。
- 被害の経緯を時系列でまとめたメモ
- 加害者や事業者と交わした契約書、申込書、利用規約
- 入金や送金の記録(通帳・振り込み明細・クレジットカード明細など)
- メールやLINE、SNSのやり取り(スクリーンショットでも可)
- 取引画面や広告の保存画像・印刷物
- 警察や行政窓口に相談した場合の記録や担当者名
必須書類がそろっていなくても相談は可能ですが、証拠が多いほど弁護士は具体的な戦略を立てやすくなります。
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(3)家族が被害に遭った場合の同席可否
弁護士と相談するのは、基本的にトラブルの当事者の方のみとなっています。
弁護士には、
・この詐欺トラブルで、お客さまの相手方の弁護をしていた場合
・別の事件での相手方が、お客さまであった場合
などに当てはまる場合は、ご相談を受けることができないという決まりがあります。
ご家族の方の同席は原則として可能ですが、弁護士には守秘義務や利益相反の制約があるため、事情によっては同席をお断りする場合があります。事前にご確認ください。
4、依頼を受けた弁護士はどう動く?
弁護士に正式に依頼すると、被害の状況や証拠に応じて、民事的な対応と刑事的な対応に着手します。以下では、弁護士が行う対応について説明します。
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(1)民事事件としての対応|事業者との交渉・裁判
民事対応では、加害者や事業者に対し、被害額の返還を求める交渉を行います。具体的には、内容証明郵便で返金を請求したり、支払いがない場合は民事訴訟を提起します。
場合によっては、相手の資産を差し押さえるための仮差押えや強制執行などの手続きを行うこともあります。仮差押えや強制執行を行うには、裁判所への申立てが必要であり、仮差押えの場合は担保金を供託する必要がある場合もあります。これらの対応により、被害額の一部または全額を回収できる可能性が高まります。 -
(2)刑事事件としての対応|刑事告訴のサポート
刑事対応では、警察に対して加害者の処罰を求める「告訴」を行います。告訴が受理されると、警察が捜査を開始し、立件されれば加害者は起訴され、刑事裁判にかけられます。
弁護士は、告訴状の作成、証拠の整理、警察との連絡調整などを行い、告訴が受理されやすくなるようサポートします。特に、詐欺事件は、証拠の有無や内容によって捜査が進むかどうかが大きく左右されるため、専門的な支援が不可欠です。
なお、詐欺罪が成立するためには、以下の要件を満たす必要があります。- ① 欺罔(ぎもう)行為:事実と異なることを伝えたり、重要な事実を隠すなどして、相手をだます行為
- ② 錯誤:被害者がだまされた結果、誤った認識を持つこと
- ③ 処分行為:錯誤に基づき、被害者が財産や金銭を相手に渡す行為
- ④ 財産的損害:その結果、被害者に経済的損害が発生すること
5、まとめ
詐欺被害に遭った時は、被害の深刻さや焦りから冷静な判断が難しくなります。しかし、放置すれば被害が拡大したり、回復がますます困難になるおそれがありますので、早めに弁護士や警察、行政窓口などに相談するようにしましょう。
ベリーベスト法律事務所でも、有料ではありますが詐欺被害に関する相談を受け付けています。全国各地に事務所があり、ZOOMなどのオンライン相談にも対応しているため、遠方の方や外出が難しい方でも安心です。初めての方でも話しやすい環境づくりを心がけておりますので、ひとりで悩まず、まずはご相談ください。
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