弁護士コラム
美容整形
返金
2024年11月06日
美容整形
返金

美容整形手術をやめたい! 失敗した! クーリングオフや返金は可能?

監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
美容整形手術をやめたい! 失敗した! クーリングオフや返金は可能?
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
全国の消費生活センターには、美容医療サービスに関する相談が多数寄せられています。令和2年度までは毎年2000件前後で推移していましたが、近年では急速に増加し、令和4年度では3710件に上りました。

特に美容整形手術は、高額の費用がかかる上に失敗するリスクもあるため、受けるかどうかは慎重に検討すべきです。

契約締結後一定期間は、クーリングオフをして返金を受けられる場合があります。美容整形手術の契約をしたことに後悔している方は、お早めに弁護士へご相談ください。本記事では、美容整形手術の返金を求める方法などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

出典:「美容医療サービスの消費者トラブル サービスを受ける前に確認したいポイント」(政府広報オンライン)
消費者問題でお困りでしたら、
お気軽にご相談ください。
タップする(押す)と電話がかかります
無料通話でお問い合わせ
平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:00
メールでお問い合わせ
24時間お問い合わせ受付中
消費者問題でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。
まずは電話かメールでお問い合わせください。
通話無料・全国対応
0120-666-694
平日9:30〜21:00/土日祝日9:30〜18:00

1、美容整形手術はクーリングオフできる場合がある

美容整形手術の契約をしたことに後悔している場合は、一定期間内に限りクーリングオフができることがあります。期間内であれば、速やかにクーリングオフ通知を発送しましょう。

クーリングオフができない場合でも、その他の方法によって美容整形手術の契約を取り消し、または解除できることがありますので、困っている場合には諦めずに弁護士へご相談ください。

  1. (1)クーリングオフとは

    「クーリングオフ」とは、消費者が一定期間内に限り、無条件で事業者との契約を解除できる制度です。
    事業者の強引な勧誘などに押し流されてしまうことが多い消費者に、再考の機会を与えるため、特定商取引法などの法律により、一部の類型の取引についてクーリングオフが認められています。

    クーリングオフによって契約を解除した消費者は、事業者に対して契約にかかる代金を支払う義務を負わなくなります。また、すでに代金を支払っている場合には、事業者に対して返金を請求可能です。

  2. (2)美容整形手術のクーリングオフの条件・期間

    美容整形手術(美容医療サービス)の契約は「特定継続的役務提供等契約」に当たるため、特定商取引法に基づくクーリングオフの対象となることがあります(同法第48条)

    クーリングオフの対象となる美容整形手術の契約は、契約期間が1か月を超え、かつ総額が5万円を超えるものです。施術方法については、以下のものがクーリングオフの対象となります。

    特定商取引に関する法律施行規則 第91条より以下抜粋
    • 1. 脱毛 光の照射または針を通じて電気を流すことによる方法
    • 2. にきび、しみ、そばかす、ほくろ、入れ墨その他の皮膚に付着しているものの除去又は皮膚の活性化光若しくは音波の照射、薬剤の使用又は機器を用いた刺激による方法
    • 3. 皮膚のしわ又はたるみの症状の軽減薬剤の使用又は糸の挿入による方法
    • 4. 脂肪の減少 光若しくは音波の照射、薬剤の使用又は機器を用いた刺激による方法
    • 5. 歯牙の漂白 歯牙の漂白剤の塗布による方法

    美容整形手術の契約のクーリングオフ期間は、契約書面を受け取った日から計算して8日です。契約書面を受け取っていない場合には、クーリングオフ期間が経過しないので、いつでもクーリングオフをすることができます。

  3. (3)クーリングオフ以外の契約取り消し・解除方法

    クーリングオフができない場合でも、利用者は以下の方法によって美容整形手術の契約を取り消し、または解除できることがあります。

    ① 消費者契約法に基づく契約の取り消し
    利用者が医療機関(美容外科クリニックなど)の側から美容整形手術の不当な勧誘を受けた場合には、消費者契約法に基づいて契約を取り消すことができます(同法第4条)。

    ② 錯誤に基づく契約の取り消し
    施術の内容や契約条件などについて重要な勘違いがあった場合には、錯誤に基づいて契約を取り消せることがあります(民法第95条)。

    ③ 詐欺に基づく契約の取り消し
    利用者が医療機関側にだまされて美容整形手術の契約を締結した場合には、詐欺に基づいて契約を取り消すことができます(民法第96条)。

    ④ 契約の債務不履行解除
    医療ミスなどの債務不履行(契約違反)があった場合には、美容整形手術の契約を解除でして返金を求めることができます。

    美容整形手術の契約の取り消しや解除が認められるかどうかは、具体的な事情によって異なるので弁護士にご相談ください。

2、美容整形手術の返金を求めるクーリングオフの手続き

美容整形手術の契約をクーリングオフして返金を求めるには、医療機関側に対してクーリングオフ通知を発送する必要があります。また、クレジットカードで契約した場合にはカード会社にも同じく通知をしておきましょう。

  1. (1)クーリングオフ通知に記載すべき事項

    美容整形手術の契約を解除するクーリングオフ通知には、以下の事項を記載しましょう。

    • 宛先
    • 契約を解除する旨
    • 契約を特定する情報(契約年月日、施術の内容、契約金額、医療機関名など)
    • 代金の返金を請求する旨
    • クーリングオフ通知の発送日
    • 発送者の住所、氏名

    (例)

    契約解除通知書


    医療法人○○御中

    次の契約を解除します。

    契約年月日:○年○月○日
    施術の内容:○○○○
    契約金額:○○円
    施術を実施する医療機関:○○

    私が貴法人に対して支払った代金○○円を速やかに返金してください。

    本通知発送日:○年○月○日
    住所:東京都……
    氏名:○○ ○○

  2. (2)クーリングオフ通知の送付方法|特定記録郵便・簡易書留・メールなど

    クーリングオフの効力は、通知を発した時点で生じます(特定商取引法第48条第3項)

    期間内にクーリングオフ通知を発送したことを立証できるように、記録が残る方法で通知を発送しましょう。
    具体的には、特定記録郵便・簡易書留・内容証明郵便などが挙げられます。

    ① 特定記録郵便
    郵便局が引き受けを記録する郵便物です。基本料金+160円で利用できます。

    ② 簡易書留
    郵便局が引き受けから配達までの過程を記録し、届かなかった場合などには郵便局が要償額の範囲内で損害を賠償する郵便物です。基本料金+350円で利用できます。

    ③ 内容証明郵便
    郵便局が内容・差出人・宛先・差し出し日時を証明する郵便物です。基本料金に加えて、一般書留の加算料金(480円~)と内容証明の加算料金(480円~)がかかります。

    なお、令和4年からメールやクーリングオフ専用フォームなど電磁的な方法でもクーリングオフが可能となりました。この方法をとる場合でも、送ったことが立証できるよう、画像やメールの保存をしておくことが大切です。また、契約書に電磁的な方法を取る場合の方法が書かれている場合があるので、その場合は指定されているアドレスやフォームに、書かれていない場合には代表者宛てにメールを送りましょう。クレジットカード契約をしている場合には、同様の通知をカード会社に行います。

3、美容整形失敗を理由とする返金請求は可能?

美容整形手術が失敗に終わった場合、医療機関に対して施術費用の返金や損害賠償を請求できることがあります。

ただし、返金や損害賠償を請求できるのは、医療過誤(医療ミス)があった場合に限られます。実際の手術の現場においてミスが発生したことを、利用者の側において立証しなければなりません。

手術の結果が希望通りではなかったとしても、必ず医療過誤が認められるわけではありません。医師は適切に対応したものの、手術のリスクが顕在化して失敗に終わってしまうケースもあるためです。

美容整形手術の医療過誤を立証するためには、カルテなどの資料を取り寄せた上で、専門医を交えた医療調査を行う必要があります。医療過誤の立証はかなり大変なので、返金請求の成功率は高くありません。

美容整形手術が失敗して後悔することがないように、契約の前にその手術は本当に必要なのか、リスクを許容できるのかなどを慎重に検討してから、受けるかどうかを判断しましょう。

4、美容整形手術の返金に関する相談先

ここまで、美容整形手術に関する返金は可能な場合を解説してきましたが、一人で対応するのが不安な場合もあるでしょう。
そのような場合には、行政機関の窓口や弁護士に相談することもできます。

  1. (1)行政機関の窓口

    全国に設置されている消費生活センターでは、消費者トラブルに関する相談を受け付けています。「消費者ホットライン(188)」に電話をかければ、最寄りの消費生活センターなどに対応してもらえます。

    美容整形手術に関するトラブルについても、消費生活センターに無料で相談可能です。返金請求の方法などについて、一般的なアドバイスを受けられるでしょう。

    ただし行政機関の窓口は、消費者の代わりに返金請求を行ってくれるわけではない点にご注意ください。

  2. (2)弁護士

    法律の専門家である弁護士にも、美容整形手術の返金について相談することができます。

    弁護士にご相談いただければ、返金が認められるかどうかの見込みや、必要な手続きなどについてアドバイスいたします。
    それだけでなく、医療機関側との交渉や訴訟などにつき、弁護士が代理人としてご対応いたします。法的な根拠に基づいて請求を行い、速やかに返金を受けられるように尽力いたします。ただし当事務所では有料相談です。

    美容整形手術の返金を求めたい方は、お早めに弁護士へご相談ください。

5、まとめ

美容整形手術が失敗した場合、医療過誤によって医療機関側を訴えることは難しいケースが多いです。
失敗のリスクも考慮しつつ、手術を受ける必要があるのかどうか、今一度冷静に考えましょう。やはり手術を受けるべきではないと判断した場合は、クーリングオフなどによって返金を求めましょう。

美容整形手術の契約を解除できないなどのトラブルが生じた場合には、行政機関の窓口や弁護士へ速やかに相談することが大切です。
ベリーベスト法律事務所でも、消費者トラブルに関するご相談を受け付けております。美容整形手術の返金を請求したい方は、有料相談とはなりますが、当事務所へご相談ください。

監修者情報
萩原達也 代表弁護士
弁護士会:第一東京弁護士会
登録番号:29985
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
消費者トラブルへの知見が豊富な消費者問題専門チームの弁護士が問題の解決に取り組みます。
マルチ商法や霊感商法、悪徳商法などをはじめとした消費者トラブルでお困りでしたら、ぜひ、お気軽にご相談ください
コラム一覧へ
消費者問題でお困りでしたら、
お気軽にご相談ください。
タップする(押す)と電話がかかります
無料通話でお問い合わせ
平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:00
メールでお問い合わせ
24時間お問い合わせ受付中
消費者問題でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。
0120-666-694
営業時間:平日9:30〜21:00/土日祝日9:30〜18:00
メールでお問い合わせ
メールからのお問い合わせは24時間
受け付けております
電話受付 平日 9:30〜21:00|土日祝 9:30〜18:00
0120-666-694
平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:00
メールでお問い合わせ
まずは電話かメールで
お問い合わせください。