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サブスク
解約忘れ
返金
2024年04月25日
サブスク
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サブスクの解約を忘れた! 解約できない! 返金してもらえるの?

監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
サブスクの解約を忘れた! 解約できない! 返金してもらえるの?
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
サブスクとは、月額・年額といった定額料金を支払うことにより、一定期間、サービスや商品を利用できる仕組みのことをいいます。近年では、さまざまなサブスクサービスが提供されていますので、それらを利用している方も多いでしょう。

しかし、いくつかのサブスクを契約していると、使っていないものがあったり、解約したつもりになっていたものがあるなど、無駄な課金を続けているサービスもあると思います。このようなサブスクの解約忘れがあったときは、無駄に課金したお金を返金してもらうことができるのでしょうか。

今回は、サブスクの解約忘れで返金される可能性や解約忘れを防ぐ方法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
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1、サブスクの解約忘れで返金される可能性は低い

サブスクの解約忘れがあったとしても、サブスク事業者から返金される可能性は低いといえます。それには、以下のような理由があるからです。

  1. (1)サブスクの仕組み

    サブスクとは、正式名称を「サブスクリプション」といい、月額・年額といった定額料金を支払うことにより、一定期間、サービスや商品を利用できる仕組みです。代表的なものとしては、音楽配信や動画配信などのサブスクサービスがありますが、近年では、カーシェア、洋服・時計・バッグ・家具などのレンタルなどのもサブスクサービスとして提供されています。

  2. (2)サブスクの課金、なぜ返金されないのか

    サブスクは、定額料金を支払えば、契約期間内は自由に商品やサービスを利用することができます。そのため、サブスクサービスは使えば使うほど、お得になるというメリットがあります。

    しかし、その反面、商品やサービスを利用しなかったとしても、サブスク契約を解約しない限りは、定額料金が発生するというデメリットがあります。サブスクは、商品やサービスの利用ごとに料金が発生するという仕組みではありませんので、解約を忘れていたという理由だけでは、課金したお金を返金してもらうことはできません

    なお、物が定期的に送られてくるサブスクで、その物を返品しても、多くの場合は解約にはなりませんので注意が必要です。

  3. (3)クーリングオフは可能か

    クーリングオフとは、契約の申し込みまたは契約の締結後であっても、一定期間内であれば無条件に契約の申し込みの撤回または契約の解除をすることができる制度です。特定商取引法では、クーリングオフができる取引として、以下の6つを定めています

    • 訪問販売
    • 電話勧誘販売
    • 特定継続的役務提供
    • 訪問購入
    • 連鎖販売取引
    • 業務提供誘引販売取引

    一般的な音楽配信サービスや動画配信サービスのサブスクは、原則として上記の取引のいずれにも該当しませんので、クーリングオフをすることはできません

    しかし、サブスクには、「特定継続的役務提供」に該当するものもありますので、そのような取引であれば、クーリングオフをすることができます。特定継続的役務提供とは、長期かつ継続的なサービスの提供に対して、高額な対価を支払う取引です。以下の7つが対象になります。

    • エステティック
    • 美容医療
    • 語学教室
    • 家庭教師
    • 学習塾
    • 結婚相手紹介サービス
    • パソコン教室

    たとえば、エステサロンのサブスクとして、月額2万円で3か月間施術を受けられるサービスを契約した場合には、特定継続的役務に該当しますのでクーリングオフの対象になります。

2、解約忘れでトラブルになったら、まずは規約を確認して

サブスクの解約忘れでトラブルになったときは、まずはサブスクの規約を確認してみましょう。

  1. (1)返金ルールは規約で定められているケースが多い

    サブスクには、無料の利用期間が設けられているものがあり、無料期間内に解約すれば料金は発生しません。しかし、無料期間内に解約するのを忘れ、有料期間に移行してしまうこともあります。

    このような解約忘れがあったときに、返金を求めることができるかどうかは、基本的にはサブスクの利用規約に定めがあります。たとえば「無料期間内に解約手続きを行わないときは、自動的に有料プランに移行する」などの規定があった場合には、解約忘れは利用者の落ち度になりますので、返金を求めることはできません。

    他方、解約忘れに関する返金ルールが設けられている場合には、そのルールに従って返金がなされますので、まずは利用規約を確認してみるとよいでしょう

  2. (2)解約したのに引き落とされたという場合もまずは規約を確認する

    サブスクを解約したのであれば、それ以降の利用料金が発生することはありません。それにもかかわらず、サブスク事業者から引き落としがなされたという場合には、返金を求められる可能性があります。

    ただし、この場合もまずは利用規約を確認した方がよいでしょう。利用規約に「各月○日までに解約手続きを行った場合、当月末日までの利用となり、翌月分のお支払いは発生しません」などと規定されている場合、解約が「○日」を過ぎてしまうと、サブスクの解約ができたとしても翌月分の料金まで請求されてしまいます。

    このような理由で解約後も引き落としがなされることがありますので、一度、利用規約を確認してみるとよいでしょう。

3、相手方と連絡がとれなくなった場合にはどうすればいい?

サブスクの事業者と連絡がとれなくなってしまった場合には、以下のような対応を検討しましょう。

  1. (1)解約しようとしても連絡がとれず解約期限を過ぎてしまったという場合

    サブスクを解約しようとしてサブスク事業者と連絡をとろうとしたものの、サブスク事業者からの返答がなく解約期限を過ぎてしまうことがあります。

    利用規約で解約申し込みをした時点が解約の基準時と定められている場合には、利用者から解約の申し出をいつ行ったのかが重要になります。そのため、サブスクの解約をする際には、メール、LINE、電話などで連絡をとった履歴を残しつつ、解約の交渉を行うのがよいでしょう。

  2. (2)それでも相手との連絡がとれない場合

    サブスク業者とまったく連絡がとれないという場合には、解約したくてもサブスクの解約ができず、毎月無駄な利用料金が引き落とされてしまいます。このような事態になったときは、自分だけで対応するのではなく、行政窓口や弁護士に相談することをおすすめします。

    サブスクに関する消費者トラブルであれば、市町村や都道府県に設置されている消費生活センターに無料で相談することができます。弁護士への相談は、有料になるケースが多いため、費用をかけたくないという場合には、まずは、消費生活センターに相談してみるとよいでしょう。

4、サブスクの解約忘れを防ぐ方法とは

上記のようなトラブルになってしまう前に、サブスクの解約忘れを予防することが大切です。解約忘れを防ぐための方法には、以下のような方法があります。

  1. (1)契約する前に規約を確認する癖をつける

    サブスクの解約忘れは、「○か月間無料」、「〇日間無料トライアル」といった広告につられて契約をしたものの、無料期間内に解約するのを忘れて、有料サービスに移行してしまうケースが多いです。

    このようなサブスクを契約する際には、利用規約をしっかりと確認し、いつ・どのようなタイミングで料金が発生するのか、解約はいつまでにしなければならないのかを把握しておくことが大切です。毎回利用規約を確認する癖をつけておけば、サブスクの解約忘れにより無駄な料金を支払う事態を回避できるでしょう。

  2. (2)クレジットカードの利用明細を毎月必ず見る

    いくつかのサブスクを契約していると、過去に契約したサブスクがあることを忘れてそのまま放置していることもあります。サブスクは、利用しなかったとしても解約するまでは定額料金が発生しますので、無駄な支出になってしまいます。

    このような無駄な支出を防ぐには、クレジットカードの利用明細を毎月必ず確認することが有効な手段となります。クレジットカードの利用明細には、利用しているサブスクサービスごとに利用料金とサービス名が記載されていますので、自分にとって必要なサービスであるかを見直す機会にもなります。

    しばらく使っていないサブスクがあるようであれば、無駄な支出を抑えるためにも解約を検討してみるとよいでしょう。

  3. (3)契約中のサブスクを忘れないようにメモしておく

    近年、さまざまなサブスクサービスが提供されていますので、たくさんのサブスクを契約して自分がどのようなサブスクを契約しているのかを忘れてしまっている方もいらっしゃるでしょう。

    契約中のサブスクを忘れてしまうと、解約忘れにもつながりますので、そのような事態を防ぐためにも、契約中のサブスクはメモしておくことが大切です。

5、まとめ

音楽配信サービス、動画配信サービスなど便利なサブスクサービスが提供されていますので、それらを利用されている方も多いでしょう。複数のサブスクを契約する場合や無料トライアルに申し込みをする際には、サブスクの解約忘れがないように注意する必要があります。

サブスクの解約忘れは原則返金されませんが、相手と連絡がとれないといったケースでは返金の交渉の余地がある場合もあります。ひとりで交渉するのが不安だという方は、行政窓口や弁護士への相談も検討しましょう。

監修者情報
萩原達也 代表弁護士
弁護士会:第一東京弁護士会
登録番号:29985
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