弁護士コラム
催眠商法
2024年01月23日
催眠商法

催眠商法(SF商法)の手口と対処法、対策を弁護士が解説

監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
催眠商法(SF商法)の手口と対処法、対策を弁護士が解説
監修者:萩原達也 代表弁護士(東京第一弁護士会所属)
健康食品や日用品の無料配布などに惹かれて気軽に集まった人を、あおりや巧みな話術で心酔させて高額商品を買わせるのは、「催眠商法(SF商法)」と呼ばれる悪徳商法の一種です。

もし催眠商法の被害に遭ってしまったら、速やかに弁護士へ相談して返金などを求めましょう。

本記事では催眠商法について、対処法や相談先などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
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1、催眠商法(SF商法)とは?

「催眠商法(SF商法)」とは、「無料」や「激安」などの売り文句で来場者を集めた会場において、販売員が健康不安をあおったり、巧みな話術で会場の雰囲気を盛り上げたりして、最終的に高額の商品を買わせる悪徳商法の一種です

催眠商法の大きな特徴は、会場の熱狂的な雰囲気などによって、来場者を「集団催眠」の状態に陥らせることです。集団催眠に陥った人は、商品の購入について正常な疑問を抱くことができなくなり、わけもわからないまま不必要または不相当に高額な商品を買ってしまいます。

2、催眠商法にあってしまったら、どうすればいい?

催眠商法にあってしまったら、クーリングオフや契約の取り消しができないかを検討しましょう。具体的な対応策については、行政の相談窓口や弁護士に相談すればアドバイスを受けられます。

  1. (1)催眠商法は、クーリングオフできる場合がある

    特定商取引法では、以下の取引についてクーリングオフを認めています。


    取引の種類 取引の概要 クーリングオフ通知を発送すべき期間
    訪問販売(キャッチセールスを含む) 営業所等以外の場所において契約を締結する取引 契約締結書面の受領日を含めて8日間
    電話勧誘販売 電話によって勧誘を行い、郵便等によって契約を締結する取引 契約締結書面の受領日を含めて8日間
    特定継続的役務提供 エステ、語学教育、学習塾等、家庭教師等、パソコン教室等、結婚相談所のサービス提供を内容とする取引 契約締結書面の受領日を含めて8日間
    連鎖販売取引(マルチ商法) 商品・サービスの販売実績などに応じて紹介料やマージンが得られるネットワークへの参加を勧誘し、入会金などを支払わせる取引 契約締結書面の受領日を含めて20日間
    ※将来に向けた解除はいつでも可能
    業務提供誘引販売取引 報酬のある仕事をあっせんする条件として、商品やサービスを購入させる取引 契約締結書面の受領日を含めて20日間

    クーリングオフをすれば、催眠商法によって締結した契約をペナルティーなしで解除できます。上記のうちいずれかに該当する場合は、期限に間に合うよう速やかにクーリングオフ通知を発送しましょう。

    クーリングオフ通知の発送先は、商品やサービスを提供する事業者です。通知の事実と発送日を後から証明できるように、内容証明郵便を利用するのがよいでしょう。


    クーリングオフ通知の文例

    契約解除通知書

    次の契約を解除します。

    契約年月日:○年○月○日
    商品名:○○
    契約金額:○○円
    販売会社名:○○株式会社

    支払い済みの代金○○円を返金し、商品を引き取るようお願い申し上げます。

    ○年○月○日
    【住所】
    【氏名】
  2. (2)クーリングオフできなくても、契約の取り消しが認められることがある

    クーリングオフの対象取引でない場合や、クーリングオフ期間が経過してしまった場合でも、事業者に以下の行為があった場合は、消費者契約法に基づく取り消しが認められます(同法第4条)


    消費者契約法に基づく契約取り消し事由
    • 契約上の重要事項について事実とは違う説明があった
    • 不確実な事項を確実であるとする説明があった
    • 消費者にとって不利益な情報を告げなかった
    • 消費者が退去を求めたにもかかわらず、消費者の自宅や勤務先などに居座った
    • 退去しようとする消費者を無理やり引き留めた
    • 勧誘することを告げずに、消費者を退去困難な場所へ同行して勧誘した
    • 威迫する言動を用いて、他人に相談しようとする消費者を妨害した
    • 消費者の将来に対する不安をあおるような勧誘をした
    • 恋愛感情など、消費者の好意の感情を不当に利用して勧誘した
    • 消費者の判断能力が低下していることを利用して、不安をあおるような勧誘をした
    • 霊感など、合理的に実証困難な知見を基にして不安をあおるような勧誘をした
    • 契約を結ぶ前にサービスを提供して、断ろうとする消費者に損失補償を要求した
    • 需要に比べて多すぎる量や回数の契約をさせた

    契約の取り消しが認められれば、支払い済みの代金の返還を受けられます。

  3. (3)催眠商法の被害に関する主な相談先

    催眠商法の被害については、行政機関の窓口や弁護士に相談できます。

    消費者被害の相談を受け付けている行政機関の代表例は、国民生活センター(消費生活センター)です。消費者被害への一般的な対処法についてアドバイスを受けられます。

    ただし行政機関に相談した場合、契約の解除や返金請求などの手続きは自分で行わなければなりません。

    これに対して、弁護士はこれらの手続きを全面的に代行いたします。ベリーベスト法律事務所では、ご本人以外の方からのご相談も受け付けているので、ご家族の被害についてもお気軽にご相談ください。

3、催眠商法を取り締まることはできるのか

催眠商法は、詐欺罪や特定商取引法違反によって処罰の対象となることがあります。この場合、被害者は加害者である販売業者を刑事告訴することが可能です。
催眠商法が処罰の対象にならない場合は、民事的手段による解決を図りましょう。

  1. (1)催眠商法が詐欺罪に当たるケース

    催眠商法における勧誘行為の中で、取引の内容などを偽って顧客をだます行為がなされた場合には、詐欺罪が成立する可能性があります(刑法第246条第1項)。
    詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。

  2. (2)催眠商法が特定商取引法違反に当たるケース

    特定商取引法では、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売・連鎖販売取引・特定継続的役務提供・業務提供誘引販売取引などについて、事業者の禁止行為を定めています。

    特定商取引法に定められた禁止行為をした事業者は、刑事罰の対象となることがあります。


    主な禁止行為 条文 法定刑
    勧誘時の不実告知 特定商取引法第70条 3年以下の懲役または300万円以下の罰金(併科あり)
    契約締結書面への法定事項の不記載または虚偽記載 同法第71条 6か月以下の懲役または100万円以下の罰金(併科あり)
    誇大広告(通信販売・連鎖販売取引・特定継続的役務提供・業務提供誘引販売取引) 同法第72条 100万円以下の罰金
  3. (3)処罰の対象にならない場合は民事的手段で解決を

    催眠商法の中には、詐欺罪や特定商取引法違反に該当しないものもあります。その場合でも、消費者契約法に基づく契約取り消しや返金請求などを行う余地は残されています。

    契約取り消しや返金請求は、民事上の手続きによって行います。具体的には、業者との交渉や訴訟などの法的手続きによって解決を目指しましょう。
    弁護士にご相談いただければ、催眠商法の被害を適切な形で解決できるようにサポートいたします。

4、消費者被害を弁護士に相談するメリット

催眠商法などの消費者被害にあった場合は、速やかに弁護士へ相談することをおすすめします。

消費者被害について弁護士に相談することの主なメリットは、以下のとおりです。


  1. (1)状況に合わせた解決方法のアドバイスを受けられる

    消費者被害については、消費者契約法や特定商取引法などによってさまざまな救済手段が設けられています。
    弁護士は依頼者の状況に応じて、消費者被害を最大限回復できる適切な解決方法をアドバイスいたします。

  2. (2)業者との交渉や法的手続きを一任できる

    契約の解除・取り消しや返金請求などに関する業者との交渉や法的手続きも、弁護士にお任せいただけます。対応のストレスが大幅に軽減されるほか、専門的な法的手続きにも適切に対応することが可能です。

  3. (3)判断能力が低下している場合は、成年後見なども依頼可能

    消費者被害にあってしまう高齢者の中には、認知症などによって判断能力が低下している方もいらっしゃいます。

    その場合は、成年後見制度の利用も検討しましょう。成年後見制度とは、自分のことが自分で決められなくなった場合の助けとなる人を選ぶ制度です。ご自身が助けとなる人と契約を結ぶ任意後見と、裁判所が助けとなる人を選ぶ法定後見があります。

    弁護士に相談することにより、成年後見制度の利用を検討し、後見開始等の申し立ても併せてご依頼いただくことが可能です。また、弁護士を成年後見人等の候補者に推薦することも可能です。

    ご本人の財産を守るためには、成年後見制度の利用は有力な選択肢となりますので、一度弁護士にご相談ください。

5、まとめ

催眠商法の被害にあってしまったら、クーリングオフや契約取り消しができないかを検討しましょう。被害を回復するためには、弁護士のサポートを受けながら迅速に対応することが重要です。

ベリーベスト法律事務所は、消費者被害に関するご相談を受け付けております。お客さまの状況に応じて、被害を回復するための最適な解決策をご提案いたします。
また、判断能力の低下などによって将来的に消費者被害が懸念される場合は、その予防策についてもご提案可能です。

消費者被害に関するお悩みやトラブルは、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

監修者情報
萩原達也 代表弁護士
弁護士会:第一東京弁護士会
登録番号:29985
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
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